判断能力の減退があった場合に利用できるのが成年後見であり、
    財産管理委任契約は特にその制限がない点が大きな違いです。
    また、裁判所が間に入ることなく、当事者間で自由に設計出来る
    点も異なる部分でしょう。
    すぐに管理を始めなければならない場合、判断能力が徐々に低下
    するその前から管理を継続させたい場合、死後の処理も依頼した
    い場合などに有効な手段といえます。



財産管理契約



 ■財産管理契約のメリット
  ・判断能力が不十分とは言えない場合でも利用できる。
  ・財産管理の開始時期や
内容を自由に決められる。
  ・本人の判断能力が減退しても財産管理委任契約は、当然に終了せず、特約で死後の
   処理を委任することも可能。



 ■財産管理契約のデメリット
  ・任意後見契約とは異なり、公正証書が作成されるわけでなく、後見登記もされない為、
   社会的信用は十分とは言えない。
  
・任意後見制度における任意後見監督人のような公的監督者がいないため、委任された
   者をチェックすることが難しい。
  ・成年後見制度のような取消権はない。





遺産分割



  相続が開始すると、相続人が複数いる場合には、基本的に相続財産全体を共同で相続した
  ことになります。このような共有関係は、遺産分割協議によって整理することができます
  が、共同相続人間で話合いがまとまらない場合には、調停を申し立てることができます。
  
司法書士は、家庭裁判所への調停申立書作成により支援を行っています。


  調停手続では、裁判官と調停委員が、当事者双方から事情を聴いたり、必要に応じて資料
  等を提出してもらったり、遺産について鑑定を行うなどして事情をよく把握したうえで、
  各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し、解決案を提示し
  たり、解決のため に必要な助言をし、合意を目指し話し合いが進められます。


  話し合いがまとまらず調停が不成立になった場合には、自動的に審判手続きが開始され、
  家事審判官(裁判官)が,遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職
  業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、審判をすることになります。
  



 ■遺産分割方法
  1.指定分割
   被相続人が遺言によって指定した分割方法で、まずはこちらが最優先されます。


  
2.協議分割
   
共同相続人全員の協議により行う分割方法です。
   全員の参加と同意が必要で、一部の相続人を除外したり、無視をした場合は、協議は無
   効になります。結果的にどのような内容の分割になっても、お互いの意見が一致して決
   定した分割であれば協議は有効です。



  3.現物分割
   物ごとに遺産をわける方法です。例えば、「預貯金は相続人Aに土地と家は相続人Bに
   株式はCに」といった方法です。ややこしい分割手続きが簡素化できるという利点があ
   りますが、現物分割では、各相続人の相続分を均等に分けることは難しく、相続人間の
   取得格差が大きくなることもあります。その際は、その差額分を金銭で支払うなどして
   代償を付加したりもします。



  4.換価分割
    遺産を売却して現金に換えて、その現金を分割するという方法です。
    公平に分配されることが明確なので、後でトラブルになりにくいという利点があります
    が、不動産を換価分割した場合、譲渡税の負担が大きいことから、不動産の価値がない
    何としてでも現金が欲しいなどやむを得ない場合にのみ使うべきです。



  5.代償分割
    特定の相続人が自分の相続分以上の財産をもらうかわりに、ほかの相続人にはその代償
    として金銭を支払うという分割方法
です。
    たとえば相続財産が、不動産や同族会社の株式などのように、相続分に応じて現物分割
    したり、売却して換価分割することが難しい(または好ましくない)場合に用いられま
    す。また代償分割は、相続税の節税や相続人間の税負担を公平にするための方法として
    も使われます。


  
遺産分割の話し合いがまとまれば、必ず遺産分割協議書を作成しておくように
   しま しょう。
   後日のトラブル防止の意味合いもありますが、遺産の中に不動産があった場合、
   所有権移転の登記の際に必要となりますし、預貯金を引き出す場合にも必要と
   なるケースがあります。

   




遺言執行


  
  遺言では「遺言執行者」を定めておくことができます。この場合、かなりのケースで遺言
  執行者の実印と印鑑証明書があれば、遺言書の内容が実現できるようになります。

  
司法書士は司法書士法施行規則31条により遺言執行者に就任することが出来る専門職です。
  遺言執行者の業務は法的知識が必要な場合が多く、司法書士が就任するとより安全です。

  遺言執行者に法律家が就任することにより、遺言の内容がより実現されやすくなります。


 ■執行者の必要性
  遺贈と死因贈与の場合に「公正証書」「執行者」の定めをおくことが望ましいです。
  理由としては、不動産を登記する場合に大きく障害が発生するからです。

  死因贈与の場合、契約書が公正証書による場合は、
執行者の印鑑証明書で大丈夫です。
  公正証書によらない契約書の場合は、
「贈与者の印鑑証明書」又は「贈与者の相続人全員
  
の承諾書及び印鑑証明書」が必要になります。


  遺贈の場合でも遺言を公正証書で作成し、遺言執行者を定めておかなければ相続人全員の
  協力を求めなければならなくなります。



  ※このように、後の手続きのことまで考えて対策をしないと非常に大きな負担を強いられる
   ことになりますので、事前にご相談ください。






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